2025.05.27

韓国ソウルにおける所得分布

韓国の所得分布は、同国の経済状況を垣間見る手がかりとなります。本ブログ記事では、全国的な傾向だけでなく、韓国の首都であり最大の都市であるソウルに見られる独自のパターンにも注目しています。単身世帯と2人以上の世帯のデータの両方を分析することで、世帯構成の違いによって所得がどのように分布しているのかを包括的に理解することができます。

2023年第1四半期時点の韓国における世帯月収の分布(所得階層別)

  • 最も低い(第1十分位)層と最も高い(第10十分位)層の収入差は非常に大きく、上位層の収入は下位層の約11倍にのぼります。
  • 中央値の所得は、第5十分位と第6十分位の間に位置します。
  • これにより、月収の中央値はおよそ555万ウォン(514万ウォンと597万ウォンの平均)と推定されます。
  • また、第9層(1,008万ウォン)から第10層(1,543万ウォン)にかけて大きな跳ね上がりが見られます。
  • これは、所得の上位10%に富が大きく集中していることを示しています。

ソウル(韓国)における単身世帯の平均月収分布

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  • 2021年から2022年にかけて、分布に大きな変化が見られ、全体的に中〜低所得層への移行が進んでいます。
  • データによると、人口は月収200万〜400万ウォンの範囲に集中しており、最も低い層と最も高い層の割合は減少しています。

ソウル(韓国)における2人以上の世帯の平均月収分布

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  • 2021年から2022年にかけて、分布に明らかな変化が見られます。低所得層の割合が減少し、中〜高所得層の割合が増加しています。

結論

これらの傾向は、韓国における所得分布の複雑な実態を反映しています。所得階層間に根強く残る格差と、人口構成の中で起きている変化の両方が浮き彫りになっています。韓国で進む所得格差の拡大は、今後、消費行動の二極化を招き、最終的には個人消費の減少や経済成長への悪影響をもたらす可能性があります。